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UPDATE2015/3/31

I’m HERE:2年経った今の現在地。

2013年4月の新卒入社から丸2年、北口ひとみはプラスディーを離れ、「いつか携わる」と心に決めていた福祉業界で新たなチャレンジを始める。旅立ちを前に、この2年間に彼女が辿ってきた道のりを振り返ってもらった。

Starting Point:働くことへの自信が欲しかった

転職先は福祉業界です。いつか必ず携わると決めていた業界ではあったのですが、新卒時に違う業界を選んだのは、面白い人がたくさんいる環境の中で働くことに対する自信を持ちたかったから。

入社前は社会人としての経験がないことに劣等感がありました。学歴もないし、普通の就活も全然せずにフィリピンにインターンに行ってしまったし……。インターンでは業務を上手くこなせているだろうという自負はありましたが、あくまで上司となる社員が不在のインターンスタッフ2名のなかでのこと。誰かに認めてもらうこともなければ、周囲と比べて○○が得意と自己確認することもできませんでした。普通の会社に入社した同世代と比べたときに、自分は通用するのかが分からなくって。

劣等感を持っていたと言っても、基本的には自分の行動には自信はあったので、ネガティブにはなっていません。でも独りよがりに自信を持っているのも嫌だったので、自信の裏付けとなる成功体験やスキルを得たかったんです。自分の経歴では大企業には入れない、けれど評価や教育をする余裕もないスタートアップも違う。そんなことを考えながら、フィリピンから日本の会社を探していたなかで見つけたのがプラスディーでした。
12月という入社まで間もない時期に、既卒で就業経験もない自分の応募を受け付けてくれたことと、面接後すぐにメールをくれた対応の真摯さに惹かれて、ここでなら成長できるかもと感じていたのを思い出します。

Check Point:認めてもらえることが、道しるべだった。

入社後は、早くパフォーマンスを出したいと常に思っていました。最初の成功体験は、社内の雑務をまとめた業務マニュアルをつくったこと。まだ人数が少ないころで総務部もなかったので、備品の発注や郵便物の仕分けなどの細々した作業は先輩社員たちが分担して行っていて。スキルのある先輩達がそんなことに時間を取られているのはもったいない、そういう仕事こそ自分たちがやるべきだと考えて業務マニュアルをつくりました。このとき、すごく褒められたんです。やった内容以上に、振られた仕事ではないことを自分から手を挙げたことが評価されたのだと思うのですが、わざわざ私信で「こういうのいいね」とメールをもらったりもして。

それ以降も、どんどんタスクを任せてもらって、着実に成功体験を積めました。得意なことを意識させようとしてくれていたのだと思いますが、「撮影ディレクションは先輩ディレクターでも経験ない人もいるけど、北口はもうできちゃうね。」とか「難しい案件をほぼ1人で回し切ったね」とかって褒めてもらうことも多くて。たくさんフォローしてもらいながらではありましたが、「私、やれてる」という感覚がありましたね。

もちろん、成功ばかりでもないですよ。抱えるタスクの量は日々増え、難易度も上がっていきました。信頼してもらえたからだからこそだと思うのですが、上司からの指摘も厳しくなった時期があって。でもどこをどう直せばいいのかが分からなかったんです。それでもそれまでに積み上げていた自信は変わらずあったので、自信喪失というわけではなかったのですが、次に進むための打つ手が見つからないモヤモヤはありましたね。

Turning Point:転職を決めたから、成長できた。

モヤモヤから抜け出して、さらに大きな自信を得るきっかけになったのは、実は転職を決めたこと。

転職の理由はモヤモヤとは関係ない前向きなもので、入りたいと思える福祉の会社を見つけたから。ずっと携わりたかった業界で、会社の理念にも共感できた。社会人としてまだまだ勉強しないといけないことがあるとはいえ、それなりに通用するという自信もついたタイミング。チャレンジしようと決めました。

そのことを周りのメンバーに少しずつ伝えていったのですが、そこで引き止めの言葉や励ましと同時に、自分の特長や強みを指摘してもらえて。「仕事の範囲を線引きせずに、主体的にものごとを考える」「クライアントや制作陣に敬意を払い、本音で向き合う」「企画の良し悪しやターゲットの気持ちを、受け売りや先入観ではなく自分の頭で考えて判断する」等々。いろんな言葉をいただいて、自覚して意識的に取り組んでいたこともあれば、そんな風に思ってくれていたんだというものもあって。でもどれもしっくり来て、すごく嬉しかったし、自信になった。もっと強みを活かそうと意識することで成長もできたと思っています。普段からもっと褒めてくれてたらもっと早く成長できたのに! なんて思ってしまいましたが(笑)。

転職を決めてからも、いろんな言葉や経験で成長させてくれたみんなに感謝しています。

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みんなに頂いた言葉の多くは自分が気づいていなかった自分でもありました。自信が少しある部分もぼやっとしていて、そこにみんなが輪郭をつけてくれた。だから自分がどんな人間なのか、どんな働き方をしていたのかがカタチになって見えてきて、今後の軸となる自信がつきました。プラスディーは、個性を大事にした育て方をしてくれるのですが、「スピードをもって育てたい」と思うばかりに、求めるものが大きくなって畳みかけるように指摘をしてしまいがち。指摘する際はできれば何ができていないのか具体的に示したほうがいいし、それが改善できたときにも、どこがよかったのかを具体的にフィードバックするといいのかなと思っています。それができるともっと社員の成長スピードがあがると思います。

私はこの半年、上司にも後輩にも「具体的に示す」ことを意識し接してみたのですが、与えるとみんな返してくれることに気づきました。相手に良いところを伝えると自然に、私の良いところを教えてくれるんですよね。そんな関係性をすごく素敵だなって。年功序列なんて関係なく、生意気な意見でも軸があれば受け止めてくれる上司がいて、そんな人達と一緒に仕事ができることを誇らしくさえ思えています。プラスディーで得た価値観はきっと私の人生の軸になると思います。